年下のカノジョ~あの子は高校生~
「うかつだったな。
 どこまで見られていたんだろう」
 

 自分の行動を後悔。

 今更遅いけど。


「でも、待てよ。
 彼女がいるんだって分かったら、必要以上に付きまとわれたりしないんじゃないか?」
 
 能天気にもそう考える俺。


「うん、そうだよ。
 彼女がいる男なんて、相手にしなくなるよな。
 何だ。
 かえって見られてよかったのかも」



 

 『気分を入れ替えて頑張る』というのは、新しい恋を見つけようという事かもしれない。


 もしかしたら、もう次の恋を見つけてたりして。

 この前、『まだ、あきらめていない』と言った日の帰りにでも、電撃的な出会いがあったとかで。


 俺のことを吹っ切れたから、あの笑顔だったのだ。



「そっか、そっか。
 一件落着じゃん」


 田辺さんの執念深さを知らない俺は、のんきな結論に至った。
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