年下のカノジョ~あの子は高校生~
「お父さんとお母さんはいる?」


「それが・・・・・・。
 おじいちゃんの家の近くでお祭りがあるからって。
 朝早くに弟を連れて、出かけてしまったんです」


「あ、そうなの?」


 プシューっと音を立てて、俺の気合いが抜けてゆく。


―――俺、1人で空回りしてたんだ。
   本当に間抜けだ、ははっ。 





「じゃ、ご挨拶は次の機会にでもするよ」


 これでよかったような、残念なような。

 ちょっと複雑な気分。



「出かけよっか」

 由美奈ちゃんを車に促した。









 運転席と助手席に並ぶ、俺と由美奈ちゃん。

 それだけのことで嬉しい。



「どこに行きたいか決めてきた?」

「はい。
 □□市のオルゴール館に行きたいです」


「了解」


 俺は車のキーを回した。
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