年下のカノジョ~あの子は高校生~
「俺、由美奈ちゃんと手をつないで歩きたいな。
 俺のわがまま聞いてくれる?」
 目線を私の高さにあわせるように、正和さんが前にかがむ。





「え、あの。
 ・・・・・・イヤじゃない、です」
 じっと見つめられて、私はドギマギしてしまう。


「本当?」


 まっすぐな視線で問われて、私はコクンとうなずいた。



「ならよかった。
 じゃ、さっそく入ろうね」
 

 さっきとは違って。

 正和さんは嬉しそうに、優しく微笑んだ。










 中に入ると、まるで美術館のようだった。
 

 年代物のアンティークオルゴールに始まり。

 通路を進むにつれて、オルゴールの移り変わりが分かるように展示してある。




「うわぁ、綺麗な音」
 すっかり上機嫌な私。


 たくさんの素敵なオルゴールたちのおかげでもあるけれど。


 正和さんの温もりが、私の手の中にあるから。
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