年下のカノジョ~あの子は高校生~
「・・・・・・そうだったんですか」
 私はほぅ、と息をつく。


「てっきり、私に愛想を尽かしたんだと思いました」




 今まで、あんな怒った正和さんを見たことがなかった。


 だからもう、私のことなんて嫌いになったんだって・・・・・・。
 



 どうして怒っていたのか分からなかったけど、正和さんが怒っていたのは事実だったから。









「何言ってんの?
 そんなはずないよ!!」
 私を抱きしめる腕に力を込める彼。

 
 まるで、『放すもんか』って言ってるみたい。




「でも、さっき“怒ってる”って正和さんが・・・・・・」

「あ、それはっ。
 由美奈ちゃんが“自分が子供っぽくて、俺にふさわしくない”とか、こちゃごちゃ言うからさ」

 鏡の中の正和さんが、少しあわてた顔になる。

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