年下のカノジョ~あの子は高校生~
「俺は由美奈ちゃんにこんなにも夢中で、君は自慢の彼女なのに。
 十分色っぽい顔だって出来る、素敵な彼女なんだよ」
 正和さんが優しく私の頭をなでる。
 

 手の平から伝わる体温の優しさに、やっと心が落ち着く。



「そうだったんですか・・・・・・」
 私はようやく肩の力を抜いた。




「由美奈ちゃんが大人っぽい一面を持っていることを、俺は知ってるよ。
 ・・・・・・俺だけが、知ってる。
 それで十分だと思うんだけど?」


 彼のささやきに、私はただ黙ってうなずいた。





「君は普段どおりにしていたって可愛いから、彼氏の俺としては心配なんだよ。
 その上、色っぽい表情を他の奴等の目にさらすなんて事になったら。
 俺はいても立ってもいられなくって気が狂う」


 正和さんが私の頬に自分の頬を、そっとすり寄せる。


「だから、由美奈ちゃんは無理に大人ぶる必要なんてないからね」





 鏡に映るのは、真剣な眼差しの彼。

「だって俺は、自然に振舞う由美奈ちゃんを好きになったんだから」




「はい・・・・・・」

 私は小さく返事をした。



 1筋の涙と共に。
< 493 / 718 >

この作品をシェア

pagetop