年下のカノジョ~あの子は高校生~
「おい、まかない食べるのは全部で何人になる?」
 サラダの用意をしていた赤川に尋ねる。


「ホールと厨房を合わせて9人ですね。
 ・・・・・・あ、僕を入れるの忘れてた!
 すいません、全部で10人です」

 どうやら奴は正月ボケが抜け切ってないらしい。


 ん、いつものことか。

 はははっ。



「その数に俺は入ってるよな?」
 顔だけ赤川に向ける。

「はい、もちろん入ってます」

 だって、三山さんの事を入れ忘れたら包丁で3枚おろしにされそうだもん・・・・・・と言う赤川の呟きを俺は聞き逃さなかった。


「今すぐさばいてやろうか?」
 俺は刃渡り30センチほどの自分の包丁を握った。
 

「い、いえっ。
 けっこうですぅ」
 首をブンブン横に振って、必死に拒絶する赤川。


「ばぁか、冗談だよ。
 俺がそんなことするはずないだろ」
 
 包丁を戻し、お湯を沸かす。


「・・・・・・包丁が駄目になるからな。
 もったいない、もったいない」
 

「え?!
 そんな理由ですかぁ。
 僕のことはどうだっていいんですね、くすん」
 赤川が大げさに泣くまねをした。


「くだらない芝居してないで、さっさとサラダの盛りつけを終えろよ」


 奴の一人芝居に苦笑しながら、俺は人数分よりも少な目のパスタを茹で始める。


 餅があるから、そんなにパスタはいらないはずだ。


 そして、パスタのソースを作り始める。

 
 フライパンにオリーブオイルを引き、刻んだニンニクを入れた。

 香りが出たところで、適当な大きさに切った鶏肉を加えて炒める。

 肉に火が通ったら、しょう油とごま油で調味し、茹で上がったパスタを投入。


 ざっとあおってパスタを皿に盛ったら、千切りにしておいた大葉を散らして完成。



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