年下のカノジョ~あの子は高校生~
―――いつ見ても、私とは全然違う・・・・・・。


 目の前にいるこの人に対して嫉妬を抱いてしまいそうだった自分に、昨日の正和さんの言葉がよぎる。




『今は焦ることないんだからね』








―――いけないっ。
   もう、焦って大人に憧れなくてもいいんだっけ。
 

 ざわついた心が少しずつ落ち着いてゆく。










 彼の言葉のおかげでどうにか落ち着くことが出来た。

「お冷になります」


 邪魔にならない位置にグラスを差し出す。

「お決まりになりましたらお呼びください」 



「・・・・・・ねぇ」

 立ち去ろうとした私に、田辺さんが呼び止めた。



「はい?」

「あなた、いくつ?」



 何を聞かれるかと思えば、私の年齢


―――そんなの聞いて、どうするんだろう。

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