年下のカノジョ~あの子は高校生~
59】トゲ(2)
≪SIDE:由美奈ちゃん≫



 胸のざわつきは完全には消えなかったけど、ショック状態からはどうにか抜けられた。



 その日の仕事を終え、店を出る。
 
 今日はエリカがいないから、1人で通用口を抜けた。



 大通りに続く小道に差し掛かった時、人影が動く。

―――誰っ?!



 ビクリ、と足を止めると名前を呼ばれた。


「柏木・・・・・・だよな?」



 その声には聞き覚えがあった。

 同級生だ。


「大橋君?」



 私がその場に立っていると、彼のほうからこちらに近づいてきた。


 外灯に照らされた顔は、確かに大橋君だった。



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