年下のカノジョ~あの子は高校生~
60】排除(1)
≪SIDE:田辺さん≫




「もう、お母さんたら。
 1人暮らしの私にこんなたくさん野菜を送っても、食べきる前に腐らせるじゃない」



 つい先ほど、宅急便で届いた箱を開ける田辺。
 
 実家が農業を営んでいるので、事あるごとに野菜や果物を送ってくる。




「どうしようかしら、これ」


 野菜たちを見ながら、ため息が漏れる。


「捨てるわけにはいかないし・・・・・・。
 あ、そうだわ」


 田辺の顔がパッと明るくなる。


「三山さんにおすそ分けすればいいのよ。
 自炊してるって言ってたから、野菜をあげても迷惑じゃないものね」




―――もしかしたら、『お礼にお茶でもどうぞ』と言って、部屋に入れてもらえるかもしれないわ。



 1人ウキウキしながら、田辺は三山に渡す分を袋に詰め始めた。




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