年下のカノジョ~あの子は高校生~
「しばらくバイトに来ていなかったみたいだけど?」

 優雅に腕を組み、微笑んでいる田辺さんは、一見すると穏やか。


 だけど。

 私に対する敵意が全身から漂っている。



「は、はい。
 部活が忙しくて・・・・・・」
 
 ちくちくと私に刺さる視線。



―――ダメ、しっかりしなくちゃ。

 今すぐ逃げ出したいけど、そんな事をしたら田辺さんの思う壺だ。


 奥歯をくっと噛みしめる。




「いい事だわ。
 学生は学生らしく、そうやって部活や勉強に精を出していればいいのよ。
 恋愛にうつつを抜かしている場合じゃないもの」
 
 田辺さんはニコニコと笑顔のまま、けっこうキツイことを言ってくる。 



 内心カチン、ときた。



 でも。

 他のお客様がいる店内で、言い合いする訳にもいかない。


 私はただ、ぐっとこらえる。
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