年下のカノジョ~あの子は高校生~
「ったく。
 田辺さんは余計なことをして」
 正和さんは短く舌打ち。


 ふぅ、と息を吐いたあと、彼は飛びっきりの笑顔を向けてくれた。

「田辺さんに何を言われたか知らないけど。
 由美奈ちゃんと付き合えて、心の底からよかったと思ってる。
 誰に何を言われても、由美奈ちゃんは俺の彼女だよ」
 


 大好きな彼の笑顔。

 優しくて温かい彼の想い。
 


 だけど。

 今の私は、すぐにうなずくことが出来なかった。





―――正和さんに迷惑かけたくない。
   心配かけたくない! 
 

 そればかり考えていた私は、反応できずにいた。
 



 ただ、ただ、無言で正和さんを見上げる。
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