年下のカノジョ~あの子は高校生~
 瞬きもせず、何も言わない私。



 彼の表情が悲しみと怒りが混ざったような複雑なものへと変わってゆく。

「・・・・・・俺の言葉を信じてくれないんだ」


 苦く重いため息が正和さんから漏れる。


「彼氏の言葉は信じないくせに、他人の言葉は信じるんだね」



 初めて見る、彼が本気で怒った顔。






「あ、違う。
 そんなこと・・・・・・」

―――違うの、そうじゃないの!


 私はあわてて彼にすがりつく。





 だけど。

 その手を振り払われてしまった。 


「正・・・・・・和さ・・・・・・ん?」



 立ち上がった彼はイライラと髪をかき上げる。

「これ以上話をしても無駄みたいだね。
 赤川を来させるから、奴に送ってもらうといい」
 


 私に背を向けて、ずかずかと通用口へと帰っていく。
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