年下のカノジョ~あの子は高校生~
「正和さんっ!!」 

 悲鳴のような声で彼を呼ぶ。

 
 でも。

 正和さんは一度も振り返ることなく、通用口の中へと消えてしまった。









「う・・・・・・、ひっく。
 ま・・・・・・かず、さ・・・・・・ん」
 ぐずぐずと泣き出す私。





 彼を信じていない訳じゃない。

 自分に自信がないから、周囲のささやきが耳に残ってしまうのだ。




「正和さ・・・・・・」 



 涙が溢れて景色がかすむ。






 ゆがむ視界に、大好きな彼の姿はどこにもなかった。



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