年下のカノジョ~あの子は高校生~
 すると突然、赤川が言った。

「三山さん、もしかして柏木さんのことですか?」
 



 とたんに俺の顔がボンッ、と一気に赤くなる。

「ば、ば、ば、馬鹿。
 何言ってんだよっ!」
 



「そんなに顔を赤らめていれば、否定をしたって無駄ですって。
 へぇ、そっかぁ。ふぅん」

 ニヤニヤ、ニヤニヤ。

 楽しそうに俺を見ている赤川。



「・・・・・・何見てんだよ?!」
 ギロリ、と睨みつけた。

 しかし。

 こんなぼさぼさ頭ですごんで見せても、ちっとも怖くないだろう。


 
 ニヤニヤ笑ったままで、赤川が口を開く。

「これで、三山さんの方は動き出しましたねぇ」

「何が?」


「運命ですよ。
 前に言ったじゃないですか。
“柏木さんが三山さんにとって運命の人だ”って。
 忘れちゃったんですか?」


「・・・・・・いや、覚えてる」


 初めて柏木さんと顔を合わせた直後、この赤川に言われたんだ。
 
 年末の飲み会でも、似たようなことを言われている。




「ってことは、俺と柏木さんは付き合うことになるのか?」


―――果てには結婚?
   あの柏木さんと?



 ドキドキしながら、赤川の答えを待つ。


 すると返ってきたのは予想外の答え。

「さぁ、どうでしょうねぇ」
 あんなに運命だの何だのと言っていた割には、拍子抜けする赤川のセリフ。


「何だよ、それ」


―――運命の2人なのに付き合うかどうかが分からないって、どういうことだ?

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