年下のカノジョ~あの子は高校生~
66】2人で歩む道(1)
その晩。
結局ロクに眠ることも出来ず、ソファーで夜を明かした。
手元の携帯を覗き込むが、電話もメールも着信なし。
これまで、由美奈ちゃんの声を聞こうと思えば簡単だった。
でも。
今は声も聞けない。
俺の気持ちを伝えることもできない。
「はぁ」
天井を仰ぎ見る。
―――俺、いい気になってたんだなぁ。
さんざん悩んで、苦しんで。
ようやく腕の中に抱きしめることが叶った彼女なのに。
両思いになったからと言って、そこがゴールではないのに。
努力しないと、関係なんてすぐに崩れてしまうのに。
想いが通じ合った事で、満足してしまった自分がどこかにいたんだ。
だからこんな結果に・・・・・・。