年下のカノジョ~あの子は高校生~
「運命の相手だからといって、簡単にくっついたりするわけじゃないんだな・・・・・・」

 それを聞いて少しがっかりする俺。



―――待て待て。
   がっかりするってことは、俺は柏木さんのことを認めるってこと?!




「はい、人生ってそんなに楽じゃないですよ。
 だけど、素直な気持ちでいれば、必ずいい方向に導かれます」


「素直か。
 なるほどねぇ。
 それにしても、どうしてお前はそういう話に詳しいんだ?」


 こんな話をする赤川を初めて見た。


「実は・・・・・・」

 と、前置きをして、こっそり教えてくれた。


「僕の家は代々霊能に関わる仕事をしているんです。
 ●●さん、知ってます?」
 

「ああ、ここ数年テレビでよく見かけるな」


 前世や守護霊について、あれこれしゃべり倒す番組を何度か見た事がある。



「あの人、伯父です」

「えっ!?」


 そうなの?!
 こんな身近に有名人を親戚に持つ人間がいるとは、世間とは狭いものだ。


「だからその手の話は小さい頃からよく耳にしているんです。
 僕は●●さんほどの能力はないですけど、一般の人よりは感じ取ることが出来ます」
 

「すげぇ」
 素直に驚いていた。

 赤川に対してすごいと思ったのは初めてだ。

 これが最後になるかもしれないがな。


「ちっともすごくないです。
 本職ではない僕の話が当たる保障はないですし。
 さっきも言ったように、お互いの心がけによってはこの先はいくらでも変化します。 良くも悪くも。
 三山さんだって、柏木さんのことが好きだと言うはっきりした自覚はないでしょう?」

「ああ、ない」
 気にはなっているけれど、ただそれだけ。
 



「もし、2人が本当に運命の相手であれば、いずれお互いが自覚するようになるはずです。
 自分の気持ちを偽らずにいてください。今、僕が言えるのはこんなところですかね」

 説明を終えた赤川の顔から緊張が消えた。
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