年下のカノジョ~あの子は高校生~
 突き放すような俺の態度に、田辺さんはほんの少しだけ眉を動かした。

「素っ気無いんですね。
 あの子とうまくいっていないから、イライラしているのかしら?」
 
 整った指を一本咥えて、チラリとこちらを見る。


 上半身だけ俺に向けて、なんとも挑発的なポーズ。



 その仕草に、かえってイライラする。

「田辺さん、俺の彼女に何を言ったんですか?」
 

 俺が睨みつけても田辺さんは動じることもない。

 ひざに置いていた俺の手に自分の手をそっと重ねてきた。


 そして、こう言ってのける。

「別に、大したことじゃないわ。
“あなたじゃ三山さんを満足させてあげるほどの経験なんて、持ってないんでしょ”って言っただけ。
 ああ、それから。
“誰が見たって私のほうが彼にお似合いだわ”ってことぐらいかしら」


 まったく悪びれもぜず、平然としている。
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