年下のカノジョ~あの子は高校生~
「田辺さんが言うとおり、私はまだまだ子供だし。
 正和さんに迷惑なんてかけたくない。
 別れたくなんかないけど、でも」


―――彼の邪魔になるのなら、身を引くしかないのかな・・・・・・?


 心の中でそっとつぶやく。

 声に出してしまうには、あまりにも怖いから。
 


 考えることはたくさんあるけど、どれもがマイナスの方向に走ってゆく。



“しっかりしなくちゃ”と思うほど、自分の自信の無さが浮き彫りになる。




 あの時の正和さんの顔、本当に怖かった。



 そして。

 彼にあんな顔をさせてしまった自分が情けなかった。 






「正和さん、何してるのかなぁ」


 彼の声を聞きたいけど、携帯は家に忘れてきてしまったのだ。


 こんなあいまいな気持ちで電話しても、何を話したらいいか分からないから。

 携帯が手元にあったところで結局はかけられないと思う。




 今でも彼は怒っているのだろうか。

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