年下のカノジョ~あの子は高校生~
『諦めたら、後悔するのは由美奈じゃぞ。
 諦める前にとことん考えろ。
 答えは意外と近くにあるかもしれんよ?』 

 そう言って、私の頭を優しくなでてくれた。








“早合点するな”


「・・・・・・そっか」

 私の気持ちが、少し軽くなった。
 

 正和さんはすごく怒っていたけど、1言だって『別れよう』なんて口にしてなかった。


 彼に直接言われてないのに、田辺さんに言われたから別れるなんて、おかしな話だ。
 

 2人で話し合ってもいないのに、勝手に自分で結論出すなんて変だ。




「あはっ・・・・・・」
 思わず笑ってしまった。


 正和さんの想いは、いつでも私の心のすぐそばにあったのに。



『年の差』という目隠しで見えなかった。

 ううん、見てなかった。
 


 彼は一度だって、私を邪魔者扱いなんかしなかったのに。
< 593 / 718 >

この作品をシェア

pagetop