年下のカノジョ~あの子は高校生~
「私ったら、こんな事も気がつかないで振り回されていたんだ・・・・・・。
 あははっ」
 

 声を出して笑ったら、胸に刺さったトゲも、ガラスの破片も、さらさらと砂の城の様に崩れてゆく。






 私は涙をぬぐって、おじいちゃんの写真に宣言した。

「早合点はしない。
 悪い風にも考えない」 
 
 きっぱりと口に出したら、胸の傷がふさがった感じがした。
 


 もう大丈夫。

 こんな傷には負けない。



―――だったら、次は?




 とことん考えなくちゃ。
 

 正和さんと生きていくのにはどうするべきか、考えなくっちゃ。
 
 どうしたい?
 
 どうありたい?
 


 私が目指すものは何?

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