年下のカノジョ~あの子は高校生~
―――好きな人のことを思うと、こんなにも前向きに生きていこうって気になれるんだ。


 心の奥から、少しずつ温かい力が湧いてくる。



「頑張れ。
 頑張れ、私。」
 


 自分が変わらないと、周りだって変わらない。

 急に変わるのは無理だけど、少しずつでもいいから進んでいこう。
 


 両手を握り締めて、自分を励ます。






「いけない。
 のんびりしてたら、美穂お姉ちゃんが帰っちゃう」

 あわてて広間に向かう。
 


 その前に、遺影に振り返った。

「おじいちゃんに正和さんを会わせたかったなぁ。
 とっても、とっても素敵な彼なんだよ」

 にっこりと微笑む私。







『幸せになるんだよ』


 そんなおじいちゃんの声が聞こえた気がした。



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