年下のカノジョ~あの子は高校生~
69】2人で歩む道(4): 1
田辺さんの家を出たところで、俺の携帯が鳴った。
着信ディスプレイには“赤川”の文字。
―――なんだ?
不思議に思いながら、電話に出る。
「もしもし?」
『あ、三山さん。
柏木さん、今、店にいますよ。
一応、報告しておいたほうがいいかと思って』
「え?」
―――明日までは休みじゃなかったか?
『思ったよりも早めに落ち着いたとかで、あいさつに来たそうです。
あ、仕事は明日のディナーからみたいですけど』
「そうか、わかった!」
『へ?
三山さん?!』
赤川の呼びかけには応えず、携帯を乱暴に服のポケットに押し込む。
そして、駐車場に向かって全速力で走り出した。