年下のカノジョ~あの子は高校生~
 紅茶を注いだマグカップを手に、俺はリビングに戻る。

 
 由美奈ちゃんは肩を小さくして、ソファーの隅に座っていた。

 その横へ、俺は腰を下ろす。


「・・・・・・何から話そうか」


 俺が口を開くと、ビクリ、と身をすくめる彼女。



「別れ話じゃないことくらいは分かるよね?
 ・・・・・・それとも、別れたいの?」
 


 由美奈ちゃんは静かに首を横に振った。




 その仕草を見て、俺の緊張が溶けてゆく。


「よかった」
 俺はそっと彼女の手を握った。


 温もりを確かめるように、ゆっくりと力を込める。



―――よかった。
   本当によかった。
 



 でも。

 本題はこれから。


 話さなければならない事が、山のようにあるのだ。

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