年下のカノジョ~あの子は高校生~
 由美奈ちゃんはハッと息を飲む。

「私、そんなつもりじゃ・・・・・・」
 泣きそうに顔をゆがめる由美奈ちゃん。



「うん、分かってる」
 彼女の肩に優しく腕を回し、胸に抱き寄せ、俺は微笑みかける。



「今はそんな風に思ってないよ」


 大人しく納まっている彼女の額に、俺は頬を寄せた。




 何も言わず、この時間を噛みしめる。


 再び俺の胸に由美奈ちゃんを抱きしめることが出来た喜びを、じっくり味わう。




 もう二度と、彼女を抱きしめられないかもしれないと思ったあの夜。


 もう二度と、声が聞けないかもしれないと思ったあの朝。



 俺の人生が終わったかのように感じた。





―――よかった。

 俺の人生はまた始められるんだ。



 彼女によって終わったかのように思えた人生が、彼女によって取り戻された。
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