年下のカノジョ~あの子は高校生~
 代理で出席した開店祝いパーティーを終えて、俺は再び店に戻ってきた。

 発注のファックスを1枚流し忘れていたのを思い出したのだ。



 大通りから店の裏口に続く小道に差し掛かる。
 
 ここには外灯がなくて、薄暗い。


 時刻は22時27分。

 ウチの店はとっくに閉店していて、従業員も既に帰っているはずで、辺りは静かである。

 いつもならば。


 しかし、今日はなにやら騒がしい。

 数人の声がする。

 聞くと、どうも穏やかではない。



「なんだろう。
 酔っ払いでもいるのかな」

 声のする方に進んでゆくと、小道の先にいくつかの人影があった。
 
 雰囲気からすると、どうやら言い争っているらしい。



「なんだよぉ。
 少しだけだって言ってるだろぉ」

「一緒にお茶を飲むだけだってぇ」

「飲んだらすぐに帰してあげるからさぁ」

 男達の声がした。



 若い男達はだいぶ酒が入っているらしく、しつこく1人の女性に絡んでいる。
 
 彼らがいる所はこちらからでは影になっていて、動きは見えるが顔までは分からない。
 

 女性は動いて、何とか腕を振り払おうと懸命だが、男の腕力にかなうはずもない。


「ねぇ、いいだろぉ。
 オレ、君みたいな子がタイプなんだぁ」

 つかんだ女性の腕を引いて、強引に連れ出そうとしている1人の男。


「やめてっ、放して!」
 聞き覚えのある声が、悲鳴を上げる。



―――柏木さんっ?!

 俺は飛び出した


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