年下のカノジョ~あの子は高校生~
「やっと、由美奈ちゃんらしい笑顔になったね」


 不安も、緊張も、悲しみも、苦しみも、まったく感じさせない。

 心からの笑顔。









「・・・・・・さて、と。
 他に言いたいことは?」
  
 じっと由美奈ちゃんの瞳を覗き込んだ。


 まだ彼女の胸の中には、色々な想いが残っているはず。





 俺が水を向けると、また、由美奈ちゃんは黙り込んでしまった。

「こら、遠慮するなって言ったばかりだよ」
 コツンと彼女の頭にコブシを当てる。



「あ、いえ、遠慮じゃなくって。
 なんか、自分でもどう言っていいのか分からなくって」


 口元に手を当てて、じっと考え込む由美奈ちゃん。


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