年下のカノジョ~あの子は高校生~
「お前達、何してんだっ!!」
 
 俺は夢中で駆け寄り、男達から彼女を引き離して自分の胸に抱きこんだ。

 守るように、すっぽりと腕で包む。



 突然の第3者介入に、俺以外の誰もが唖然としている。

 一番驚いていたのは、腕の中の柏木さんだった。



「お前達、見たところ未成年のようだな。
 それなのに酒を飲んだのか?!」
 ジロリと見渡す。

 俺より背の低い3人は、上から見下ろされて足がすくんでいるようだ。


 さっきまでの上機嫌はどこへやら。

 青い顔をして、立ち尽くしているだけ。


「・・・・・・まあ、いい。
 今回は見逃してやる。
 だけど、顔は覚えたからな。
 次はないぞ。
 分かったら、さっさと向こうに行けっ!!」

 俺のものすごい剣幕に気圧されて、その男達は慌てて逃げ出した。



「ったく・・・・・・。
 人に迷惑かけるほど酔うなっての」

 すっかり3人の姿は見えなくなった。

 逃げた方向を睨みつけて、俺は呟いた。






「―――三山さん?」
 震える小さな声で、腕の中の人物が俺を呼ぶ。


「ん?」
 呼ばれるままに見下ろすと、涙で潤んだ視線とぶつかった。



―――柏木さんだ。


―――何で泣いてるんだろう。


―――何で、俺の腕の中にいるんだろう。




 俺の頭の中で?マークが踊る。


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