年下のカノジョ～あの子は高校生～

　俺のシャツの胸の辺りが、由美奈ちゃんの涙で濡れてゆく。


「ホントに、泣き虫だなぁ」

　そう言いながらも、俺のほうも目頭が熱くなっている。



「だって・・・・・・。
　あんなケンカしたから、もう私たちは終わりかもしれないって。
　正和さんに会えなかった間、そんなことばかりが頭をグルグルしちゃってたから・・・・・・」
　
　ヒック、と小さくしゃくりあげる。


「でも、正和さんとたくさんお話したら、ホッとして。
　そうしたら、なんだか泣けてきちゃって・・・・・・」
　
　溢れて仕方がない涙を一生懸命手でぬぐう由美奈ちゃん。




「まったく」


　やれやれと息を吐いて、いったん彼女から体をはがし、強い視線を送る。


「いい機会だから、はっきり言っておくよ。
　悪いけど」
　


　由美奈ちゃんがビクリ、とする。



『悪いけど』の後に続くセリフを想像して怯えたのだろう。


『泣いてばかりいたら、いい加減、愛想を尽かす』とでも、言われると思ったのか。