年下のカノジョ~あの子は高校生~
 彼女の頬をそっと手で挟み、大きな瞳をじっと見つめる。
 


 由美奈ちゃんは恥ずかしそうにしていた。


 でも。

 けして目をそらすことなく見つめ返す。


「私も会いたかったです」

 顔を赤く染めて、由美奈ちゃんが言った。


「・・・・・・実は、正和さんに“別れよう”って言われても、しがみついて離れないって決めてました」


「え?」


 由美奈ちゃんは頬に触れている俺の手に、自分の手をふわりと重ねる。

 俺は手の平と、手の甲に優しい体温を感じる。



「田辺さんに“別れるべきだ”って言われたけど。
 でも、正和さんから言われたわけじゃないのに別れるなんて、おかしいと思って。
 変な話ですけど、田辺さんにあれだけ言われたから、かえって真剣に正和さんと私のことを考えました」
 

 由美奈ちゃんは一度目を閉じ、そしてまっすぐに俺の瞳を見る。
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