年下のカノジョ~あの子は高校生~
「三山さん?」
 もう一度柏木さんが俺を呼ぶ。


「んん?」

―――おや?

―――これって、もしかして・・・・・・。


 だんだん状況が飲み込めてきた。
   

―――も、も、も、もしかしなくても、抱きしめてるっ?!


「・・・・・・う、うわぁっっっ!!」
 俺は大きく叫んで、彼女から2、3歩離れた。

 その拍子に足がもつれ、後ろに大きく尻もち。



「いてっ」

―――び、び、び、びっくりしたぁ!


 心臓がバックン、バックン脈を打ち、口から飛び出しそうだった。


―――何で柏木さんの事、抱きしめてんだ?!


 彼女の叫び声が聞こえた瞬間、駆け寄って抱きしめた・・・・・・らしい。


 その辺の記憶がない。
 
 完全に無意識だった。


 柏木さんを助けなきゃって思ったら、体が勝手に動いていた。




「あ、柏木さん、大丈夫だった?」
 心配そうに俺を見下ろしている柏木さんに話しかけた。

 尻もちをついたままという情けない格好で・・・・・・。



「はい、つかまれた所が少し痛みますけど。
 それより三山さんの方こそ、お尻大丈夫ですか?」


「う、うん。
 平気」
 立ち上がって、手でパタパタとほこりを払った。


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