年下のカノジョ~あの子は高校生~
「ケンカした後から何度もかけたんだよ。
 メールも、いくつ送ったか分からないくらいたくさん」
 

 お葬式が終わってからなら、携帯を開く時間くらいはあっただろうに。

 いっこうに何の音沙汰もないから、考えたくもない悪い妄想ばかりが膨らんでいた。



「そ、それは!
 携帯を持たずにおじいちゃんの家に行っちゃって・・・・・・。
 おじいちゃんの家から直接店に来たので、まだ、携帯は家なんですぅ」
 
 あわあわと俺にしがみついてくる。


「ごめんなさい、ごめんなさい。
 別に無視をしていたとかじゃないんですよぉ」
 由美奈ちゃんは眉を寄せ、困り顔。



「そうだったんだ」

 俺はほうっと安堵の息をつく。


「返事が来ないから、嫌われたんだと思っちゃったよ。
 ヒドイことを言った自覚はあったし」

―――そうだよな。
   こんなに長いこと連絡がつかないのなら、そういう事も普通なら想像つくよな。
 



 俺ってなんて気が小さいのだろう。

 由美奈ちゃんの事になると、本当に余裕がなくなる。




 そんな自分に苦笑い。
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