年下のカノジョ~あの子は高校生~
「どうして三山さんがここに?
 開店パーティはもう終わったんですか?」
  
「いや、まだ続いてるよ。
 ファックスを1枚流し忘れていて、それで戻ってきたんだ」


 俺の説明に柏木さんがうなずいた。

「そうだったんですかぁ。
 でも、おかげで助かりました」
 はぁぁ、と安堵のため息をつく彼女。

「あの人たち、いくら嫌だって言ってもぜんぜん聞いてくれなくって。
 腕をつかまれてたから、逃げることもできなかったですし」

 柏木さんはつかまれていた辺りを、そっと擦っている。

「他に痛いところは?
 何かされてない?」

 彼女の服装に乱れたところはないから、最悪の状況にはなっていないはずだけど。

 念のために尋ねた。



 俺が聞くと、首を横に振った。

「される前に三山さんが助けてくれたから・・・・・・」


 女の子1人で心細かったのであろう。


 柏木さんの瞳はいまだに濡れたまま。
 
 声もまだ震えている。



「怖かったよね」
 そんな彼女の頭を優しくなでてやる。

 無事でよかったと思いながら。



 柏木さんは大人しくされるがまま。





「あのぉ」
 柏木さんが首をかしげた。

―――はっ?!何やってんだよ!

 またしても無意識な俺。
 


 急いで手を引っ込める

「ご、ごめんね。
 別に深い意味はないんだっ」

 柏木さんは何も言わず、じっと俺を見ている。


 その瞳に『不審』の色が見えるのは気のせいかっ?!
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