年下のカノジョ~あの子は高校生~
「私、何か、変なことを言いましたか?」

 あまりに俺が気の抜けた顔をしたのを心配して、由美奈ちゃんが声をかけてくる。



「あっ、いや・・・・・・」

 まばたきをすることで、俺は意識を取り戻した。




「その・・・・・・、どうして看護士になるのかなぁって。
 俺にはちょっと、話の流れについていけなくって」
 



 由美奈ちゃんは『あぁ』とうなずいて、話を進める。


「正和さん。
 コックはケガが多いって言ってましたよね?」


「う、うん。
 言ったけど」
 
 なんとなく話が見えたような・・・・・・。 見えないような。




「だからですよ」

 明るく言いきる彼女。




 嬉しそうな由美奈ちゃんには悪いけど、いまいち話が飲み込めていない。


―――ごめん、由美奈ちゃん。
   俺にはなにが『だから』なのか、さっぱり分からないよ。




 
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