年下のカノジョ~あの子は高校生~
「どうしたの?」


 少し前かがみになって、私の顔を覗く正和さん。

 さっきよりは自然な笑顔の彼。



 だけど。

 やっぱり違う。




「いえ・・・・・・。
 何でもないです」
 
 私は居心地が悪くて、絡めた腕を自分から解いた。


 それに対して、彼は何も言わない。




 いつもは私が手を離そうとすると、ぎゅっと握って離さないのに。



 今日は何も言わないどころか、手もつないでくれない。




―――正和さん、一体どうしたの? 



 言葉に出来ない不安だけが、グルグルと胸に渦巻く。


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