年下のカノジョ~あの子は高校生~
「本当ですか?
 わぁ、嬉しいです」
 頬に手を当てて、満面の笑みを浮かべる。


 俺はその笑顔に魅入っていた。



 そして突然、心の奥底から激しい感情が噴き出す。

―――俺以外の奴に、笑顔を見せないでくれっ!!



 それは完全なる嫉妬心と、独占欲。





 これで分かった。

 やっぱり俺は柏木さんのことが好きなんだ。
 


 はっきりとした自覚が、今の俺にはあった。



「三山さん、どうしたんですか?」

 水田と柏木さんのやり取りを黙って見ていた俺に、赤川がそっと尋ねてくる。




「え?
 ・・・・・・あ、ああ。
 何でもないよ。
 俺、先に行くから」
 自分の表情を誰にも見られたくなくて、スタスタと出口に向かう。


 驚き、戸惑い、嫉妬。

 色々な感情が入り混じって、表現の仕様がないほど妙な顔になっているはずだ。



「あ、待ってくださいよっ」



 とっさに赤川が呼びかけるが、俺は足を止めない。

―――こんな顔、見られてたまるか。





 唖然とする3人を残して、俺は扉を開けて外に出る。

 逃げるように1人で駐車場へ。





「はぁぁ」

 車のボンネットに手をついてうなだれた。
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