年下のカノジョ~あの子は高校生~
 ショッピングモールからレストランまでの道が思っていた以上に混んでいて、結構時間がかかってしまった。

「はぁ、腹減ったぁ」

 客用の駐車場に車を停める。



 只今6時ほんの少し前。

 まもなく夕食時だというのに、いつもより停車している車がだいぶ少ない。

「寒いもんなぁ、今日は」


 天気が悪い平日の夜は、客の入りが余りよくない。
 
 俺は上着の襟をしっかり合わせて、店へと急いだ。




「いらっしゃいませ……あら?」

 出迎えてくれたのは山岸さんだった。


「こんばんは」
 俺は会釈した。

「三山さんが来るなんて、初めてじゃない?」

「混んでることが多いから、いつも来るのがためらわれて。
 今夜みたいな天気なら、店も少しは暇かなと思って」


「そうねぇ。
 特に風も冷たいし、みんな寄り道しないで帰ってしまうわよね」

 話をしながら奥のカウンターへと向かう。

「テーブル席が空いてるわよ」


 窓際の2人用テーブルを勧められるが、断った。

「1人でテーブルに座るのって、かえって落ち着かないんですよ」



「それもそうね」


 ホールの奥で岩谷が山岸さんに合図を送ってきた。

「あ、呼ばれてるみたい。
 じゃ、三山さん、ごゆっくり」

 優雅な足取りで山岸さんが遠ざかっていった。
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