年下のカノジョ~あの子は高校生~
 顔がにやけてしまいそうになるのを必死でこらえ、何気ない表情をどうにか保つ。

「何だい?
 俺に話って」

 大人の男らしくゆったりと構え、由美奈ちゃんに話を振る。


 内心では嬉しさのあまり、小躍りどころか1人サンバカーニバル状態。



 すると彼女は恥ずかしそうに目を伏せた。

「こんな事言うのは、すごく照れるんですけど・・・…」

 頬がうっすらと赤いのは俺の眼の錯覚ではあるまい。



―――ちょ、ちょっと由美奈ちゃん。
   他に誰もいないからって、こんなところで告白かいっ?!


 俺はドギマギしてしまい、『大人の余裕』という仮面が今にも剥がれ落ちそうだ。



「でも、いい機会だから思いきって言います!」

 覚悟を決めたらしく、由美奈ちゃんは軽く息を吸い込んだあと顔を上げた。



「ずっと気になっていたんです・・・・・・」
 由美奈ちゃんは更に顔を赤く染めて、そう言った。



「気になっていたって・・・・・・どういうこと?」
 俺のほうもなんだか照れてしまって、頬が少し熱い。



 そしてモジモジとしている由美奈ちゃんを見つめた。

 彼女はなかなか二の句を次げずにいる。



―――ああっ、もう!
   早く言ってくれぇ!!


 俺の心臓がこの沈黙に耐え切れずに、爆発してしまいそうだ。



「実は・・・・・・」
 由美奈ちゃんが口を開く。

 運命の2人というのはこんなにも早くに関係が進展してゆくものなのか?!





 再びゴクリ、と息を飲み、俺は彼女の言葉を待つ。

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