年下のカノジョ~あの子は高校生~
「2人で何やってんだ?」
 俺たちのやり取りを不思議そうに見ていた水田。


「い、いや。
 たいした事じゃない」

 面倒なことにならないうちに、俺はさっさと厨房から出て行った。

 目線で再び赤川に釘を刺すことを忘れずに。





 仕事着から私服に着替えて、店の入り口から入る。
 
 ホールのスタッフ達が俺を見かけて口々に挨拶してくれる。

「お疲れさまです」

「お疲れさまでした」

「みんな、ご苦労様」


 すっかり慣れた足取りで、今では定位置となったカウンター端の席に向かう。


 そこにはすでにお冷を用意した由美奈ちゃんがいた。

「お疲れ様です、三山さん」
 
 グラスとともに笑顔が届けられる。



―――ふはぁ、この顔さえ見れば疲れも吹き飛ぶよぉ。

「ありがとう」
 顔がにやけてしまわないように、用心してグラスを受け取った。


「俺が来ること、よく分かったね?」
 手に持っているグラスを口に運ぶ。



 水でも飲んで気持ちを落ち着けないと、またしても1人妄想族になってしまいかねない。

 そんな俺の心中を知るよしもない由美奈ちゃんは笑顔全開。


―――嬉しいけど、目の毒だな・・・・・・。



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