年下のカノジョ~あの子は高校生~
「いいなぁ。
 そこのお店って色んな動物を展示してるんですよねぇ」

「うん。
 犬や猫はもちろん、プレーリードッグってのもいたよ。
 一杯いすぎてよく分かんなかった」

「行ってみたいなぁ」

 俺の話を聞いているうちに、由美奈ちゃんの目が輝き出した。



―――へぇ、動物が好きなんだ。
 
 これで彼女のことをひとつ知ることができた。

 取り留めのない会話の中の収穫に嬉しくなる俺。



「今度、家族で行ってみたら?
 車でならそんなに遠くもないし」
 
 何気なく話を振ってみたら、由美奈ちゃんは少し困った顔になってしまった。

「……家族とではきっと無理です。
 お父さんも、お母さんも、そういうところには行きたがらないから」

「そうなの?
 そんなに動物が嫌いなんだ」



 俺がそう言うと、由美奈ちゃんは静かに首を横に振った。


「え?
 どういうこと?」


 意味が分からない。

 動物が嫌いじゃないのにペットショップに行かないって、どういう訳だ?



「嫌いじゃないんです。
 まったくその逆で・・・・・・。
 動物が好きすぎるから、一度目にしたらその場から離れられなくなっちゃうんですよぉ」

 苦笑交じりにこうも教えてくれた。

「それに、“もしも飼っているペットが死んだら・・・・・・”って勝手な想像だけで号泣しちゃうような両親なんです。
 実際は金魚1匹すら飼っていないのに」


「ぷっ」
 申し訳なくも、俺は吹き出してしまった。
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