恋衣〜あなたとずっと一緒に居たくて〜
千葉のヨットハーバーの駐車場。
やはり平日だから空いている。


「 ごめんね。
今日会ったばかりなのに、
ここまで連れてきちゃって…。 」


入江くんが車から降りながら話しかけてくるから、
助手席のドアに側に歩いてくる入江くんより早くドアを開けなきゃ！
必死だったのに…負けた。
ドアを開けてくれた。


「 寒かったらジャケット着ててもいいよ。 」


そんな言葉に、
またまた胸きゅんです。


「 いいえ、大丈夫です。 」


ジャケットを渡そうとした時に海風が強くなった。


「 仁科さんに風邪ひかれたら、
ボク困りますよ。 」


ジャケットをかけてくれた。
なんだろう、
入江くんに抱きしめられているような安心感がジャケットから伝わってきて、
心がさらにあったかくなっていた。


「 海ってさぁ、
たまに見たくなるよね？
今日は何故か一人で来たくなかったからさ…
つい仁科さん誘ってしまったけど…。 」


「 いいえ、
誘ってくれてありがとう。
一人で海見ると泣きたくなりますよね？ 」


入江くんが振り向いたから、
私は笑顔で返したつもりなのに…


「 仁科さん悲しいことあったのかな？ 」


一瞬別れたカレの顔がチラついたけど


「 大丈夫ですよ。 」


ムリに笑ってみせた。
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