恋衣〜あなたとずっと一緒に居たくて〜
「 颯輝( さつき )!
お前何してんだよ!!
手を放せよ。
瑠香から離れろよ。 」


私の手をつかんでいた
この人は入江くんの言葉にあわてて手をはなしてくれた。


「 兄貴!
あっ、この子が瑠香ちゃんなんだ。
かわいいからナンパしようと思ったところなのになぁ。 」


私は入江くんのうしろで、こわかったから隠れて震えていた。


「 颯輝!
瑠香にあやまれよ。
お前のせいで、こわがってるんだぞ!
今オレのうしろで震えているんだから。 」


入江くんは私の手を握っていて
この手のぬくもりで気持ちが落ち着いてきた。


「 瑠香、大丈夫だよ。
こいつオレの弟だから…。 」


その言葉に私は入江くんの手を繋いだまま、
そっと横にズレてみたけど…
でも、
こわかった私は、それ以上は前には行かれない。
というか、
あの人に近づきたくなくって
そのまま入江くんの背中にぴたっとしていた。
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