恋衣〜あなたとずっと一緒に居たくて〜
「 うん?なんでもないよ。 」


コーヒーが目の前に置かれていた。
それにも気がつかないでいたんだね。


「 おいしいね。
入江くんがいれてくれたからだね。」


私は大切に
コーヒーカップを両手で包んでいた。


「 そのカップかわいいでしょ?
瑠香のイメージで用意したんだけど、
どうかな? 」


私は両手で包んでいたカップをみてみた。

全体にピンクで小さなうさぎさんがいるんだよ。

私って
こんなイメージなんだと思ったら嬉しくなった。


「 気に入ってくれたかな? 」


「 瑠香、うさぎさん?
かわいいね。
ありがとう。 」


「 瑠香がここで使うカップだからね。 」


入江くんは恥ずかしそうにソファから立ち上がった。

入江くんが立ち上がった先に本棚がある、
入江くんの家族写真かな?
さっき会った颯輝さんもいるもんね。

お兄さんなのかな?
結婚式での家族写真みたい。
キレイな花嫁さんがいるもん。


「 入江くん、この写真…。 」


「 あっ、
オレの家族だよ。
兄貴が結婚したときだから、7年前かな?
みんなが写ってるってあまりないじゃん。
だから飾ってるんだ。 」

本棚から取り出してみせてくれた。

入江くん、少し幼い感じでかわいいと思った。


そのうしろにも写真があったけど、
隠すようにしているから気になるよね?


「 入江くん今の隠したのは写真だよね?
誰が写ってるの? 」


何故か入江くんは、
黙っていた。

なんだかへんな沈黙が続いたあとに。
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