恋衣〜あなたとずっと一緒に居たくて〜
砂浜を先に歩きだし、
うるんでしまった目を見られたくなくって
ただ歩いていたら


「 仁科さん、
あまり行くと濡れちゃうよぉー! 」


入江くんの声にハッとして気がついたら


「 きゃぁ! 」


慌てて逃げたけど、
つま先が少し濡れてしまった。
自分の行動がめちゃくちゃ子供ぽかったなぁと反省しながら
入江くんのいるところまで戻り


「 少し濡れちゃいました。 」


バツ悪そうに笑う私に


「 まだ4月だからね。
今は寒いから…
夏だったら、もっと遊べたのにね。
仁科さん、
また来ようね二人で。 」


私には聞き流すことの出来ない言葉があった。
それは


「 また…ですか? 」


首をかしげて聞く私に


「 はい、またです。
仁科さんはイヤですか? 」


私は顔の温度が
かなり高くなっていることに気がついた。

首を左右に振ることが今の精一杯!
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