恋衣〜あなたとずっと一緒に居たくて〜

「 パパ、ママ。
瑠香ちゃんいたよ。
昇輝くん隠してたんだよ、いけないよね？
ホンモノの瑠香ちゃん、
颯輝くんの写真よりかわいいね。 」


桃花ちゃんの言葉に照れてしまうけど、
桃花ちゃんたちのパパ、ママに挨拶しなきゃ。


「 はじめまして、
仁科瑠香です。
よろしくお願いします。 」


同じセリフしか浮かばなかった自分が情けないけど、
とりあえず自分の名前はわかってもらえたと思う。


「 おねがいちます。 」


私に抱っこされたままの梅花ちゃんが言ってくれたのが、
気持ちを楽にさせてくれた。


「 えっと、瑠香。
兄の倖輝( こうき )で、
兄の奥様の百合( ゆり )さんです。
そして…。 」


「 昇輝くん、
桃たちはちゃんとお名前言ったよ。 」


私は桃花ちゃんに、
にこって微笑んでから


「 はい。
ちゃんと二人の名前教えてもらいました。 」


倖輝さんが桃花ちゃんの頭をなでて


「 桃花、えらかったなぁ。
自分の名前も梅花の名前も言えるってエラいぞ！ 」


「 パパ、私子供じゃないわよ。
それくらい言えるわよ。 」


その場の空気が、
完ぺきにかわった。