恋衣〜あなたとずっと一緒に居たくて〜
「 理由?
行きたくないって思っただけで…
ママが通った短大だからってこともあるかな? 」


そのあとに言葉があったけど、
これ以上は言ったらいけないって思って
理士くんから視線をそらした。


飲んでしまった言葉に気がついたのか


「 瑠香、いいから続けて! 」


私は視線をそらしたまま
いつもの理士くんらしくない強い言い方に負けて口を開いた。


「 ママがねぇ、
パパに言ってたんだ。
瑠香は理香と違って、のんびりしてるから
短大出たらお見合いして結婚させるのもいいよね?
って、
結婚までママの決めた人なの?
瑠香、それも自分で決めたらいけないの?
ダメなの? 」


理士くんは深いため息をついた。


「 瑠香は、やっぱり大人になったね。
オレも、かぁさんから瑠香の見合いの話を聞いたよ。
もちろん、オレは反対した。
瑠香だって女の子だって、これから先
人を好きになるって!
でも、かぁさんは自分と同じ人生をさせたかったんだろうな。
自分が幸せだから。
でも、瑠香の人生だから短大行っても
お見合いして結婚しなくてもいいんだよ。 」


私が理士くんの顔に視線をうつした途端にデコピンされて


「 瑠香、
今好きな男いるだろう?
だから、自分の将来について真剣に考えた。
だろ?
兄としては寂しいけど、
瑠香の成長は嬉しいよ。 」


顔があつくなっていくのを感じていた。
理士くんにバレてることに。


私のかわっていく表情を楽しんでいるように見つめている理士くんに、
またデコピンされた。
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