アナグマさんの動物記【Cat】
「可愛いなぁ」
すっかり落ち着いて毛繕いをはじめた猫を、ディーは緩みきった顔で見つめた。
白にぶちのような模様が浮かんでいる。
その中に、縞模様。毛が長めで、尻尾がふさふさ。
改めて観察していると、ディーの隣にしゃがみこんだアナグマが言った。
「チョコレートのタビー&ホワイトか。わりとオーソドックスなミックスだね。通りすがりのディーに捕獲されたってことは、大人しい子なのかな。なんの血が入っているんだろうね」
「は……はい?」
ぺらぺらと並んだ横文字に、ディーは顔を歪める。
何のことを言っているのか、さっぱりわからなかったのだ。
「なんですか、それ……チョコレートって、あのチョコレート?」
「毛色だよ。ほら、ぶちの部分が、濃い茶色をしてるだろう?」
「な……なんか、美味しそうですね」
「……とても君らしい感想だ」