強カノ!
気が付くと鳴海ちゃんにも少しずつ男たちに視線を浴びせられていた。
「ぁ…あの私ちょっと行きたいとこあるんだよ!だから…」
鳴海ちゃんは苛立ちを隠せずに視線をおよがせている。
―― ごまかさなくてもいいのに
「鳴海ちゃん こっち」
「え…ちょ何すん…!?」
俺はとっさに彼女の腕をひっぱり、とりあえず誰も人が来ないように階段裏に連れ込んだ。
「―ここなら大丈夫」
鳴海ちゃんを見るとまつげの長い切れ長の目は、まだ苛立ちの色を隠せずに腕をつかむ俺の手を睨みつけている。
「っなにが!! つーかはなせ!」
「あ…ごめん 痛かった?」
「そーじゃなくて!…なんなんだよ急に…」