桜の咲くころ
でも、あたしはリカとのこんな時間がとても心地いい。

くだらない事を笑いあう事で、いろんなシガラミから開放されていく、そんな感じだから。









遠い昔の忘れそうな想いを追いかけて、もう15年。

時間が経ちすぎていたのかも知れない。

あたしたちは、もっと早くに再会するべきだったのかな。

それか、一生会う事もなければ、あんなに苦しむ事もなかったのかな。

あたしは、どうしたかったの?

会って…想いを伝えれば満足だった?

アイツに愛されたい、そう願い続けるのはいけない事だったのかな。

――― あたしはアナタに会うために生きているんだと思うんだよ。

アナタに会えなければ、あたしは無になってしまう。

真っ白な世界に、裸で放り出された、そんな風に…。







< 10 / 206 >

この作品をシェア

pagetop