桜の咲くころ
「我慢・・・してるの?」

「・・・はい?何を?」

「・・・エッチ」

何を言い出すのかと細い目を丸くしてあたしを見て、すぐに視線を窓の外に向ける。

「ある意味、我慢大会だよな」

「・・・大会って、誰と競ってんのよ」

「お前に決まってんじゃん」

布団の中でお互いを抱きしめあう。

ホント、これだけでも、あたしは充分・・・。

「でも、残念ながら、タイムリミットだな」

「え?」

「朝の勢いは時間と共に萎えるから」

そう言うと、シンはあたしのデコにチュっと軽くキスをして布団から飛び出していった。




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