桜の咲くころ
次に場面が変わって・・・ここはどこだろう?
あぁ・・・シンの家だ。
頭を抱えるシンに、あたしは数学を必死の形相で教えてる。
6畳ほどの部屋に、ブルーの布団がかけられたベットと勉強机。
隣のお兄ちゃんの部屋からイスを借りてきて、シンの横から身を乗り出して参考書を覗いている。
「何で、こんな公式が分かんないのよぉ!!」
「何で、この公式使うって分かるんだよ!!」
喧嘩ごしで怒鳴りあう。
「文章にキーワードが入ってるじゃない!!」
「知るかよ、何だよキーワードって!!」
諦めたようにシャープペンシルをノートに叩きつける。
それは、ゴロゴロ転がって、あたしの手元で止まった。
「はぁ・・・。シンのママに頼まれて来たのに・・・これじゃ全然進まないじゃない」
うな垂れるあたし。
夏休み明けの試験に向けて、苦手な数学を克服すべくあたしは呼ばれた。
中学2年の夏休み。
高校受験を控えた大事な休み。
他の友達が塾に通う中、あたしとシンは自宅学習組だ。
シンに勉強を教えながらも、あたしは内心複雑だった。
家がバスで簡単に行き来できる距離であっても、学校の校区が違うため、同じ高校を受験する事は出来ない。
唯一、お互いの学区が重なった高校があったけど、不良が沢山いるような怖い学校で有名だったから志望することは絶対ないと思っていた。
あぁ・・・シンの家だ。
頭を抱えるシンに、あたしは数学を必死の形相で教えてる。
6畳ほどの部屋に、ブルーの布団がかけられたベットと勉強机。
隣のお兄ちゃんの部屋からイスを借りてきて、シンの横から身を乗り出して参考書を覗いている。
「何で、こんな公式が分かんないのよぉ!!」
「何で、この公式使うって分かるんだよ!!」
喧嘩ごしで怒鳴りあう。
「文章にキーワードが入ってるじゃない!!」
「知るかよ、何だよキーワードって!!」
諦めたようにシャープペンシルをノートに叩きつける。
それは、ゴロゴロ転がって、あたしの手元で止まった。
「はぁ・・・。シンのママに頼まれて来たのに・・・これじゃ全然進まないじゃない」
うな垂れるあたし。
夏休み明けの試験に向けて、苦手な数学を克服すべくあたしは呼ばれた。
中学2年の夏休み。
高校受験を控えた大事な休み。
他の友達が塾に通う中、あたしとシンは自宅学習組だ。
シンに勉強を教えながらも、あたしは内心複雑だった。
家がバスで簡単に行き来できる距離であっても、学校の校区が違うため、同じ高校を受験する事は出来ない。
唯一、お互いの学区が重なった高校があったけど、不良が沢山いるような怖い学校で有名だったから志望することは絶対ないと思っていた。